利益相反管理方針

自動車ディーラー(新車・中古車販売+整備・板金+レンタカー等)における修理費用等の請求(小規模事業者向け)

2026年6月1日施行 改正保険業法(令和7年法律第54号)対応版 (2026年度版)

  • 制 定 日 : 2026年9月30日
  • 最終改定日 : 2026年9月30日
  • 会 社 名 : 株式会社アルゴス

本方針が準拠する法令・指針・ガイドライン

  1. 保険業法(令和7年法律第54号による改正後・2026年6月1日施行) [原典]
  2. 保険業法施行規則(2026年6月1日施行版)※e-Gov最新版で確認済(確認日2026年7月11日) [原典]
  3. 保険会社向けの総合的な監督指針(金融庁・令和8年7月)※金融庁ホームページの最新版で確認済(確認日2026年7月11日) [原典]
  4. 顧客本位の業務運営に関する原則(2024年9月26日改訂) [原典]
  5. 募集コンプライアンスガイド(日本損害保険協会・2026年4月版(第18版)) [原典]
  6. 代理店業務品質に関する評価指針(日本損害保険協会・2025年12月25日一部改正) [原典]
  7. 自己点検チェックシート(日本損害保険協会・2026年6月1日改訂版) [原典]

第1章 利益相反管理方針(本編)|自動車ディーラー(小規模事業者向け)

前文
当社は、損害保険代理店として保険募集の業務を行うとともに、自動車販売業(新車・中古車)並びにこれに付随する自動車の整備・点検・修理(板金・塗装を含む。)、部品・用品販売、レンタカー・代車の提供及びロードサービス等(一部の修理・板金の外注を含む。)を営んでいる。このような兼業は、お客さまの利便に資する一方、当社が自らの利益を得るためにお客さまの利益を損なう利益相反が生じ得る事業構造であることを、当社は深く認識する。

当社は、保険金不正請求事案を契機とする「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書(2024年6月25日)及び金融審議会「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」報告書(2024年12月25日)の指摘、並びにこれらを踏まえた保険業法の一部を改正する法律(令和7年法律第54号・2026年6月1日施行)、保険業法施行規則及び保険会社向けの総合的な監督指針の改正の趣旨に鑑み、「顧客本位の業務運営に関する原則」(特に原則3「利益相反の適切な管理」)に基づき、利益相反のおそれのある取引を特定し、これを適切に管理するための方針として本方針を策定し、その概要を公表する。

第1条(目的)

本方針は、当社が自動車販売業(新車・中古車)並びにこれに付随する自動車の整備・点検・修理(板金・塗装を含む。)、部品・用品販売、レンタカー・代車の提供及びロードサービス等(一部の修理・板金の外注を含む。)(以下「兼業業務」という。)を営むことに伴い、当社が自らの利益を得るためにお客さま(保険契約者、被保険者、保険金請求権者その他の顧客をいう。以下同じ。)の利益を不当に害し、又は兼業業務が所属保険会社等による保険金の支払に不当な影響を及ぼすことのないよう、利益相反のおそれのある取引を特定するための方法、その類型、管理の方法及び管理の体制を定め、もって顧客本位の業務運営と保険募集の公正性・保険金支払の適正性を確保することを目的とする。

第2条(定義)

本方針において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  1. 「利益相反」とは、当社又は当社の役員・使用人が、自らの利益を得るためにお客さまの利益を損なうおそれのある状態又は取引をいい、保険募集において、①当社が利益を得るためにお客さまの利益を害する場合、②特定のお客さまの利益を優先することで他のお客さまの利益を害する場合、③お客さまに関する情報をお客さまの同意なしに利用して当社又は他のお客さまが利益を得る場合を含む。
  2. 「保険金関連事業」とは、保険金の使途となるような財・サービスを提供する事業(本業に付随して保険金の支払いを受けることで利益を得られる事業)をいう。当社においては、自動車ディーラー業務のうち、所属保険会社等に対する保険金(車両保険金、対物賠償保険金、代車費用保険金等)の支払の請求に関する業務(事故車両の入庫受付、損傷状況の確認・記録、修理費用の見積り、修理・板金の実施(外注管理を含む。)、代車・レンタカーの提供、修理費用等の請求、全損時の代替車両販売に関する対応を含む。)をいう。
  3. 「対象業務」とは、当社が行う保険募集の業務以外の業務のうち、保険金の支払の請求に関するものをいい、当社においては、自動車ディーラー業務のうち、所属保険会社等に対する保険金(車両保険金、対物賠償保険金、代車費用保険金等)の支払の請求に関する業務(事故車両の入庫受付、損傷状況の確認・記録、修理費用の見積り、修理・板金の実施(外注管理を含む。))をいう。※代車・レンタカーの提供、修理費用等の請求、全損時の代替車両販売に関する対応については、(2)で利益相反管理の対象とします。
  4. 「兼業特定保険募集人」とは、保険業法第100条の2の2第2項に規定する兼業特定保険募集人(特定保険募集人のうち、保険募集の業務以外の業務であって、その対価に所属保険会社等から保険契約に基づき支払われる保険金が充てられる業務のうち保険金の支払に不当な影響を及ぼすおそれがある業務として内閣府令で定めるもの(保険業法施行規則第53条の14の3:自動車の修理業務及びこれに付随する業務)を行う者)をいう。
  5. 「所属保険会社等」とは、保険業法第2条第24項に規定する所属保険会社等をいう。

第3条(適用範囲及び規模・特性に応じた区分)

  1. 本方針は、当社の役員及び使用人(保険募集人であるか否かを問わない。)並びに対象業務に従事するすべての者に適用する。
  2. 当社は、毎事業年度、次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかを確認し、該当する区分に応じ、別表1に定めるところにより本方針の各条を適用する。
    1. 兼業特定保険募集人(保険業法第100条の2の2第2項)に該当する場合:保険業法施行規則第227条の20の直接の名宛人とはならないが、監督指針Ⅱ-4-2-16により、規模・特性に応じて準じた態勢整備がなされることが望ましいとされていることを踏まえ、当社の規模・特性に応じて本方針を適用する。
    2. 前号に該当しない場合であっても、当社が保険金を原資として対価を得る業務を行うときは、監督指針Ⅱ-4-2-16(同指針は保険金を原資として対価を得る業務を行う「全ての損害保険代理店」を対象とする。)及び顧客本位の業務運営に関する原則(原則3)の趣旨を踏まえ、当社の規模・特性に応じて本方針を適用する。
  3. 当社の該当区分:当社は整備・板金等の自動車修理業務を営むため「兼業特定保険募集人」に該当し、第2項第1号として、監督指針Ⅱ-4-2-16に基づき、当社の規模・特性に応じた水準(第4項参照)で本方針を適用します。
  4. 当社は、小規模事業者としての現時点の規模・特性(役員・使用人の人数、兼業業務の規模等)を前提として本方針の各条を適用しており、その適用水準(監視の頻度、責任者の兼務、代理店主等による点検等)は、監督指針Ⅱ-4-2-16の「規模・特性に応じた態勢整備」の趣旨に基づくものである。事業規模の拡大その他の状況の変化があった場合には、適用水準を見直す。

第4条(利益相反取引等の特定方法)

  1. 当社は、対象業務その他利益相反のおそれのある取引を特定するための体制を整備し、次条に定める利益相反管理責任者において、次の各号の方法により、利益相反のおそれのある取引を特定する。
    1. 毎事業年度1回以上、当社の営むすべての兼業業務を棚卸しし、①当該業務の対価に所属保険会社等から支払われる保険金が充てられるか、②当該業務が保険金の支払に不当な影響を及ぼすおそれがあるか、③当該業務に関し紹介料その他の経済的利益を第三者から受領していないか、の観点から対象業務該当性を検証すること。
    2. 新たな兼業業務の開始、業務内容の変更、新たな紹介・斡旋スキームの導入等に際しては、事前に前号と同様の検証を行うこと。
    3. 保険募集の現場、苦情、内部通報、所属保険会社等からの照会・指摘等を通じて利益相反の兆候を把握したときは、随時、特定の要否を検証すること。
  2. 当社は、前項により特定した対象業務及び利益相反のおそれのある取引を記録し、第9条に定めるところにより保存するとともに、役員・使用人に周知する。

第5条(利益相反取引等の類型)

当社の兼業業務において想定される利益相反のおそれのある取引の類型は、次のとおりとする。ただし、これらに限られず、前条の特定方法により随時見直す。

  1. 事故車両の修理において、実際の損傷の程度・範囲を超えた過大な修理費用の見積り・請求(過大請求)、不必要な部品交換・修理範囲の拡大による水増し
  2. 実際には存在しなかった損傷等をあったものとして行う保険金請求(保険金詐欺に該当し得る行為)、損傷の作出
  3. 外注先の板金・修理業者と共謀した修理費用の水増し、外注差益の拡大を目的とした過大見積り
  4. 代車・レンタカーの不必要な提供・貸出期間の不当な延長による代車費用保険金の過大請求
  5. 全損・大破時に、お客さまの意向・利益(時価・修理可能性)にかかわらず、自社の車両販売(買替え)へ誘導する行為
  6. 入庫紹介・自社工場への入庫誘導に際し、お客さまが修理工場を自由に選択できることを告げない行為、修理品質・価格においてお客さまの利益にかなわない自社入庫の事実上の強制
  7. 新車・中古車販売、点検パック等の販売実績と保険募集・保険金請求対応を不当に関連づける行為(保険を利用した販売促進)
  8. 募集上の地位(ディーラーとしての大量の保険取引)を利用した、所属保険会社等の損害調査・支払査定に対する不当な働きかけ、簡易査定の要求
  9. 自動車修理業者やレンタカー会社等を斡旋し(注)、紹介料を受領する行為 (注)一部の修理を外注することを含みます。

第6条(利益相反管理の方法)

当社は、前条の類型に係る利益相反を防止するため、次の各号に掲げる方法により対象業務を管理する。

  1. 見積り・請求の適正性の確保:対象業務に係る見積額・請求額の適切性を事後的に検証できるよう、入庫受付記録(事故受付票・お客さまの入庫経路)、車両の損傷状況を示す修理前・修理中・修理後の写真、損傷診断記録、見積書(部品・工賃・指数の内訳)、部品発注・仕入記録、代車・レンタカーの貸渡記録(期間・車種・料金)(※代車・レンタカー提供、レッカー、全損時等の買い替え提案等は、法令上の「対象業務」ではなく利益相反対象として保存する証跡です。)、アジャスターとの協定記録、全損時の時価協定・買替提案の説明記録等の証跡を適切かつ十分に記録・保存する。
  2. 監視:利益相反管理責任者は、前号の記録・保存の状況及び過大な見積り・請求等の保険金不正請求につながり得る事案がないかを、定期的(少なくとも年1回とし、保険金の支払の請求が発生した場合にはその都度)に調査・検証する。
  3. 牽制(利害の分離に代わる措置):当社は小規模事業者であり、保険募集業務の担当者と対象業務の担当者を組織的に分離することが困難であることを踏まえ、①代理店主(又は利益相反管理責任者)による見積り・請求内容の事前又は事後の検証、②可能な範囲での複数名によるチェック、③所属保険会社等との対話・損害調査への誠実な協力の活用、その他の代替措置により牽制機能を確保する。
  4. 証跡の提出・説明:所属保険会社等からの求めに応じて、第1号により記録・保存している証跡を提出し、その内容について適切かつ十分に説明する。
  5. 不正の兆候を把握した場合の対応:利益相反管理責任者は、保険金不正請求につながり得る事案を把握した場合には、速やかに所属保険会社等及び取締役会等の経営陣に報告し、経営陣の適切な指示・関与の下で、深度ある調査・分析、関係者へのヒアリング等を実施する。複数回の調査を経ても所属保険会社等との間で見解の相違が存在する場合等には、必要に応じて第三者の関与を含め、透明性・客観性を確保する。
  6. お客さまへの説明:対象業務の実施に当たっては、お客さまが修理業者・サービス提供者等を自由に選択できることその他お客さまの適切な判断に必要な情報を分かりやすく説明する。紹介料その他の経済的利益を受領して第三者を紹介・斡旋する場合には、その旨をお客さまに開示する。

第7条(利益相反管理の体制)

  1. 当社は、対象業務が保険金の支払に不当な影響を及ぼさないよう、その確認・検証を行う責任者(以下「利益相反管理責任者」という。)を設置する。当社の規模を踏まえ、利益相反管理責任者は代理店主又は保険募集の責任者が兼務することができる。この場合、対象業務の実施者自身による自己検証のみで完結することのないよう、第6条第3号の代替措置を併せて講じる。
  2. 利益相反管理責任者は、本方針に基づく管理の状況を、定期的(少なくとも年1回)及び必要に応じて随時、取締役会等の経営陣に報告する。
  3. 当社は、本方針に基づく管理の実施に関する社内規則等(社内規則その他これに準ずるものをいう。)を策定し、社内に周知する。

第8条(対象業務を委託する場合の管理)

当社が対象業務の全部又は一部を第三者に委託(外注を含む。)する場合には、その委託先の監督に際して、当社又は所属保険会社等が行う保険関連業務に係るお客さまの利益が不当に害されることを防止するための体制を整備する。この場合において、第6条第1号の証跡の記録・保存及び同条第2号の監視が委託先においても適切に実施されるよう、委託契約において必要な事項を定め、定期的にその実施状況を確認する。

第9条(記録の作成・保存)

  1. 当社は、次の各号に掲げる記録を作成し、その作成の日から5年間保存する。
    1. 第4条の体制の下で実施した対象業務の特定に係る記録
    2. 第6条第2号の対象業務の監視に係る記録(見積額の適切性に係る証跡及び定期的な検証に係る記録を含む。)
    3. 第7条及び前条の体制の整備に係る記録
  2. 前項の記録は、その適切性を事後的に検証できる方法により保存する。

第10条(本方針(実施方針)の策定及び概要の公表)

  1. 当社は、第6条から前条までに掲げる措置の実施の方針として本方針を策定し、その概要を、店頭でのポスター掲示、ホームページへの掲載その他お客さまに対して十分に伝わる適切な方法により公表する。
  2. 公表する概要は、本方針の趣旨(兼業に伴う利益相反を特定・管理し、保険金の支払に不当な影響を及ぼさないこと)が明確に現れているものとする。

第11条(教育・研修)

当社は、役員及び使用人(対象業務に従事する者を含む。)に対し、本方針、関係法令、監督指針(Ⅱ-4-2-16を含む。)及び募集コンプライアンスガイドの内容について、定期的(少なくとも年1回)に教育・研修を実施し、その実施記録を保存する。

第12条(検証・見直し)

  1. 当社は、本方針に基づく管理態勢の実効性を、日本損害保険協会「自己点検チェックシート」(点検項目No2026-013「利益相反管理」を含む。)を活用した年1回以上の自己点検(代理店主等による点検を含む。)及び所属保険会社等との対話を通じて検証し、その結果を踏まえ、本方針及び社内規則等を必要に応じて見直す。
  2. 第3条第2項の区分該当性(兼業特定保険募集人該当性)は、事業年度ごとに確認し、区分の変更があった場合は、適用条項及び態勢を遅滞なく見直す。

附則

  1. 本方針は、2026年6月1日(保険業法の一部を改正する法律(令和7年法律第54号)の施行日)から実施する。
  2. 本方針の改廃は、取締役会(これに準ずる経営会議等を含む。)の決議による。

「対象業務特定書」(第2条関係)

当社において利益相反管理の対象とするのは、次の「対象業務」です。

【利益相反】

車両(新車・中古車)販売や車両修理、保険代理店を同一事業者が担うことで「顧客の利益を守る立場」と
「自社利益を最大化する立場」が衝突すること。

1.保険金不正請求

  • お客様の保険請求に際して、板金修理費を不当に水増しする
    (1)工数を過大にする (2)部品点数を過剰にする (3)作業範囲を拡大する
  • お客様の保険請求に際して、架空の修理請求をする
    (1)実勢には未実施の板金・塗装作業を修理明細上「実施済み」として計上
  • お客様の保険請求に際して、やるべき施工や部品交換をやっていない
    (1)高機能塗装やボディーコートが未施工なのに請求をする

2.「車両販売と保険募集を不当に関連付ける行為」、「車両販売、ローン、点検パック等の販売実績と保険募集を不当に関連付け、お客様の意向に反した保険加入や車両購入を誘導する行為」

  • 「保険に加入しないと、この車は販売できません」と言う
  • 「当社の自動車保険に入るなら車両値引きをします」と勧誘する
  • お客様に必要以上の補償を付けて保険料を高くする
  • 車両購入者には必ず特定の保険商品を勧める
  • 「保険を使えば新車に買い替えられます」と買替えを強く誘導する
  • 修理可能な車両なのに、自社の販売利益を優先して買替えを勧める
  • 点検パック・ローン・保険の加入を車両購入の条件にする


高額な保険商品販売

  • お客様の望まない高額な保険へ加入させること